以下のようなメンバーを抱えて困っていませんか。
当記事では、私が書籍を読みながら、現場を経験しながら、長年、積み上げたノウハウを公開します。
「当事者意識を持たせる」はマネジメントの重要キーワードです。
出世による年収UP、転職成功率UP、賢い子育てができるなど、様々に活きてくるので、
ぜひ、一緒に学んでいきましょう!
当事者意識を持たせる方法10選
まとめると以下です。
- 目的、ゴールの共有
- 情報公開&見るべきポイントを共有
- やることや実行計画をメンバー主導で決める
- 「今日から君は○○リーダー」をつくる
- 役割やタスク、権限は具体例を出してすりあわせ
- 「あなたはどう思う」を常に問いかける
- 仕事やプライベートの忙しさを確認する
- 信頼関係をつくる
- 失敗しても怒らない
- ねぎらう、褒める
目的、ゴールの共有
「なんのために」「どういう状態を目指すのか」伝えましょう。
相手の考えがわかる古き友人でもない限り、
「行き先は電話で伝えるから、東北新幹線にとりあえず乗っておいて」
「図書館で、医療の本を探しておいて」と言われても不安になるのです。
新入社員の頃の私、迷いまくりました。
どんなにやる気があっても、目的、ゴールがないと、どう動いてよいか分かりません。
情報公開&見るべきポイントを共有
情報を持っていないと、当事者意識は芽生えません。
たとえば、以下のように嘆いていても仕方ないのです。
知らない or 理解できてない or 接触回数が足りないのですから。
もし、ゲットしてほしい情報があるなら、積極的に情報公開をしていきましょう。
また、情報を横流しするだけでは、あなたの介在価値がありません。
メンバーは目の前の仕事に集中しています。
メインの役割も違うので、あなたが持つ情報をすべて見るのはしんどすぎます。
情報を整える、絞る。または、見るべきポイントや気にしてほしいポイントを伝えましょう。
やることや実行計画をメンバー主導で考える
自らやることを選択すると納得感や責任感が生まれ、当事者意識が育ちます。
「これをやりなさい」で仕事を渡すのはNG!やらされ感がある仕事はつまらない。
メンバー主導にすると、勝手にメンバー内で議論が活発になります。
この「自ら、仕事を作っていく」感覚が当事者意識を育てます
「今日から君は○○リーダー」をつくる
バーチャルポジションをつくる
「この領域はAさん主導で引っ張ってもらいたい。今日からAさんは○○リーダーね」など
バーチャルなポジションを作ります。
するとどうでしょう。
「この領域は面倒見なくちゃ」「会議で関係する箇所はしっかり聞いて持ち帰るぞ」など、
関心が生まれ、当事者意識が徐々に育つと思いませんか。
文化祭の会計担当になるから、「1円でもミスがないように分別して」などお金を管理する。
父母になるから、子育てについて調べ始める。
バーチャルポジションの任命に近いところは、↓の書籍でも学べます。
あの当事者意識高すぎ集団のサイバーエージェント人事が執筆していて、おすすめ。
バーチャルポジション任命後のタスクの任せ方
次に任命の後は具体的にどうすればよいか、NG、OK例で解説します。
NG例では「担当タスク以外はやらなくていいや」な気持ちが生まれます。
一方的で、余白がない。失敗しても上司の責任問題にできるので、他責になりがち。
⚪の例では、「タスクが足りない、追加しよう」な気持ちが生まれます。
相互的で余白がある。他責にできないので、自然と当事者意識が生まれます。
ただ、慣れていないメンバーだと、仕事が進まなくなったり、辛くなったりする場合もあるかもしれません。
壁打ち相手やサブ担当をつけるなど、協力体制を約束し、心の不安を取り除きましょう
役割やタスク、権限は具体例を出してすりあわせ
役割やタスク、権限のすり合わせを具体的にすると、人は羽が生えたように動きやすくなります。
全体計画作りや他部署との調整など、上司がするのかしないのか、
境目があいまいなタスクはきちんとすりあわせしましょう。
上司がするのかしないのか悩む回数が減り、メンバーが動きやすくなるからです。
当事者意識が高ければ、メンバー側からすりあわせしてくれるかもしれません。
けど、今は育成段階です。手を抜かずにこちらから歩み寄りましょう。
ポイントは、表やメモ帳何でも良いので具体例を出して、すりあわせすること
頭で想像したまま、議論していると勘違いがおきます。
「相手がするだろうと思っていた」「当然、これは意識するよね」といった期待の押し付け合い、悲劇を避けましょう。
たとえば、以下のような感じで、すりあわせするのはいかがでしょう。
「あなたはどう思う」を常に問いかける
受け身にならないよう、常に問いかけを行い、考えてもらう機会を増やしましょう。
物事に向き合えていたか、当事者になれていたか気づいてもらえるためです。
部下から「どうしましょうか」と頼られ、ついつい「それはこうするべき」と答えてしまう。
これでは、当事者意識が育たない。
私がよく使う問いかけは以下です。ぜひ活用してみてください。
繰り返していくと、「まだ腹落ちしていないので、ここもう一回教えてほしい」「自分はこう思う」
など、メンバーからの発言が増えてきます。
言葉がけで悩まれる方は、以下の書籍もおすすめ。めちゃくちゃ売れてます!
仕事やプライベートの忙しさを確認する
たとえば、あなたは毎日12時間働いています。その上で誰にも命令されていないことまで踏み込んで仕事できますでしょうか。多少、目をつむらざるを得ない小さな仕事も出てきませんか。
メンバーもいろいろな事情を抱えています。
「あいつは当事者意識がない」と憶測だけで切り捨てず、会話し事実ベースで状況把握しましょう。
私自身、過去、長時間残業中は目の前の仕事で精一杯でしたが、そうでないときは、改善提案などを積極的に行っていた時期がありました。
ほんのり余裕があるだけで、気づける、動けることもあるので、状況をたまに把握しましょう。
信頼関係をつくる
信頼関係はすべての土台です。当事者意識を発揮しやすい雰囲気作りや、発揮するための悩みを取り除くために必要です。
想像してみてください。
信頼関係のない人のために、気持ちよく当事者意識を持って動けるでしょうか。
これから、当事者意識を引き出すためにフィードバックをする時もあるでしょう。
信頼関係がないと、フィードバックが効きません。
信頼関係を作るコミュニケーション例
たとえば、以下のようなことを私は実践しています。
- 挨拶する、調子を伺う
「おはよう、調子どうだい」「もやもやや気になっていることない」 - 勇気づける、期待を伝える
「~を考えられるあなたなら大丈夫、この案件もぜひお願いしたい」 - 相手のありたい姿を尊重する
「こういうこだわりいいね!」「○○大事にしているんだね、いいね!」 - 相手のなりたい姿に向けたサポート
「~目指しているんだね」「ならこの本参考になるよ」「ならタスクA任せるね」 - 自分の失敗談を話す
「実は、自分も同じ注意されたんだよ、みんな通った道だから安心して」 - メンバー自身に興味を持つ
「確か、お子さん1歳だよね。うちと一緒だ」、「◯◯好きって言ってたよね」 - 壁打ち相手になる
「まとまらない時、もやもやした時いつでも壁打ち相手になるよ」 - 途中レビューの承認
「完成する前に気になるポイントは先に見とくよ。」 - 相手の主張を一旦受け入れる
「いいね!」「そう思うんだね」→「◯◯の観点も気になる、何かアィディアある?」
相手によってどれが効くかわかりません。パターンを試してみましょう。
私がメンバーの立場だったときは、失敗談が嬉しかったな~
勇気が生まれたのを覚えています。
また、信頼関係を作るためには話す場が欠かせません。
もし、信頼関係の構築スキルが足りていないなと感じる方は、
今の時代、上司が知らないとまずい心理的安全性を学べる↓名著をチェック
信頼関係を壊す「相手を試す」方法はNG
たまに、相手を試す、いじわるをする勘違い上司がいます。
以下のようにメンバーを試していないでしょうか。
試すやりとりの後、メンバーは上司の顔を伺いながら、上司にとっての正解を探すようになります。
上司を信じられなくなります。絶対やめましょう。
失敗しても怒らない
怒られると萎縮してしまい、自分の意見を言わなくなる、動けなくなるためです。
「変な意見言ったら、また怒られる」と思うほど、正解を探して意見がでなくなります。
「じゃあ、どう進めようか」問いかけながら、次の行動につながる議論をしましょう。
ねぎらう、褒める
当事者意識を発揮して動いても、自分の行いが良かったのか不安でいっぱいなものです。
誰かの役に立ったのか達成感も感じたい。
誰かの役に立った感覚が当事者意識を育てます。もっと役に立とうと当事者意識を発揮します。
だから、ねぎらい、褒めるのです。
当事者意識の高い行いは全力褒めでいきましょう、そして、感謝を伝えましょう。
わたしの場合、こんなことがありました。
これら、どちらも同じ人から言われています。
ちょっとした出来事ですけど、その人との仕事は非常にしやすくなりました。
「当事者意識を持て」は甘え
「当事者意識を持て」は当事者意識のない上司の甘え
上司側もマインドチェンジが必要です。
上司は、メンバー育成の当事者意識を持つべきではないでしょうか。「相手に求めるだけ」の行為は当事者意識とは矛盾する発想です。
手持ちの情報が違う、動いてよいことか不明など、
当事者意識を持てない事情があることが分かったかと思います。
まずは、ここに挙げた10選のうち3つで良いので、ぜひ現場で実践してみてください。
リクルートの圧倒的当事者意識をいきなり求めるな
リクルートで有名な言葉「圧倒的当事者意識」。
■リクルートの口癖■
https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO7111819017042021000000?page=2
(1)お前はどうしたいの?
(2)じゃあやってみれば?
(3)圧倒的当事者意識
(4)仕事の報酬は仕事
(5)視座を上げろ
(6)お前のWILLは?
(7)何目的?
(8)考え抜いたの?
(9)無言の奴に会議出る意味ない
(10)相手の心に火をつけろ
(11)昨日を超える
(12)自ら機会を創り出し機会によって自らを変えよ
「リクルート 圧倒的当事者意識」に影響を受けて、当記事を見た方もいるかもしれません。
しかし、以下ができているからこそできる芸当です。いきなり自社に当てはめるのはキケンです。
- 時間もお金も潤沢な事業会社
- 当事者意識の高い方々が採用されている
- 当事者意識を求める風土が会社全体で完成している
当事者意識を持たせるためには、当事者意識を育てる工程が必要です。
1度きりにならず、根気よく、当事者意識を持たせる回数を増やして、意識を育んでいきましょう。
転職では当事者意識を持たせた経験が自己PRに効く
リーダー層の転職活動では、組織やチームを使ってどれだけの成果を出したかが求められます。
「メンバー○人を率いて、○○万円の売上を上げました」など定量的な自己PRはポイント高いです。
というのは、リーダーAさんが売上100万/月しか上げられないけど、部下5名をマネジメントし、売上500万/月上げられるのなら、リーダーAさんは売上500万/月を作れる人として扱われます。
だからこそ、当事者意識を育てること、育てるエピソードを蓄えておきましょう。転職活動で効いてきます。
実際、私も当事者意識を育てた経験を職務経歴書に書いて、以下の方法で内定を複数獲得しています。
おわりに
いかがだったでしょうか。
当事者意識を持ったメンバーと一緒に仕事をすると、良いことしかありません。
仕事の質や成功確率が上がる、手戻りが減るなど。
職場全体が自分の当事者意識と合わないなどがない限りは、
ぜひ、当事者意識を発揮しあい、よい職場にしていきましょう!